現在ビザで日本人の口座を開いている唯一のアメリカ系銀行がポリシーを変更すると新規移住者はビザ更新が非常に難しく

約一年ほど前から、ルーマニアの銀行では日本人がパスポートだけで口座を開くことは不可能になりました。当社の調べでは、おそらく全ての銀行で日本からのマイナンバーが必要になります。これは2017年にサイトで書いていた予測とほぼ一致します。

実際にはマイナンバーを提出してもなお口座が開けないケースがほとんどで、対象は個人口座と会社口座です。銀行は口座開設の申請を受けたあとで、顧客が自己申告する予定預入額や事業内容を本社の法務部で審査します。今までパスポートのみ、あるいはルーマニアのビザを提示することで口座を開けていたオーストリアやハンガリー系の銀行でもこの審査を通らないケースが大半です。これはおそらく「変わる世界、変わる投資ビザ (URL)」の記事で書いたようにダンスケ銀行やドイツ銀行が非居住者口座を大規模な資金洗浄に使われたことから、ヨーロッパの銀行群が非居住者口座の開設に消極的になっているためと思われます。

今唯一、ルーマニアのビザで日本人が口座を開けるのは一部アメリカ系の銀行だけです。この銀行は去年までギリシャ系でしたが、J.C. Flowersに買収されてアメリカ系資本になりました。現在、他行のプレミアム口座に似たサービスを導入したり、一部店舗を整理したりして経営刷新を図っています。

この銀行はアメリカ系資本ながら、アメリカ人に関する口座情報共有制度であるFATCAに従っています。しかしながらルーマニアのビザで日本人の口座を開くことがあり、現在個人口座、会社口座ともに日本人がルーマニアで口座開設出来る唯一の銀行になっています。

現在、ルーマニアの日本人などに対する特例はまだ維持されたままです。しかし上の「変わる世界、変わる投資ビザ (URL)」の記事にも書いたとおり、会社の売上活動がない場合には更新が出来なくなっています。そして、会社が提供した商品やサービスに対する売上は原則として会社口座への振込か、現金の場合はレジの機械が必要ということになっています。現金での活動は当然ながらオンラインでのサービスには不可能で、またレジ機は一台500€以上するものが多いのと、入出金情報が会社経営者にも解除できない暗号化された状態で会計士を通して税務署に提出されることになっています。従って、会社口座を開いてそこに売上金を振り込む形にしない限り会社の維持、そしてビザの維持が非常に難しくなりました(以前に既に口座を開いている場合は対象外)。

そもそも会社を登記する際に必要なShare capital account(資本金を預けるためだけに開き、通常の口座のようには使えない口座)はオーストリア系の銀行でアデリーナ弁護士に委任状を渡した状態でないと開けなくなり、その後に会社活動を持つために本格的な会社口座を持とうとすると今度はアメリカ系の銀行にビザを持っていかないといけなくなったということです。

Share capital accountも会社口座も他の銀行ではおそらく難しいため、この2行の組み合わせを使うことが現在おそらく唯一の方法になっています。

このJ.C. Flowersは、近々ルーマニアの別のイスラエル系の銀行系列を買収する予定とも言われており、将来的にさらに合併する可能性も出ています。このイスラエル系の銀行は現在非居住者口座に非常に警戒的で、2017年の段階ではマイナンバーの有無に関わらず非居住者の口座開設を断った事例があります。なので合併後もこのアメリカ系資本の銀行がビザだけで口座を開けるかは極めて不透明です。

日本人などへの特例はまだ健在なものの、銀行関連の規制の変化によって今後日本人のビザ申請と維持に大きな影響が出そうです。

注;本ブログの記事内容はアデリーナ弁護士事務所の見解とは関係がなく、一切の責任を負いません。

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