変わる世界、変わる投資ビザ

皮肉にも、4年前にHemenadoaが世界のマイナンバー事例であげたデンマークのダンスケ銀行は、少なくとも25兆円規模の資金洗浄に関わっていた可能性が高いとしてアメリカの司法省などから捜査を受けています。他にも現在赤字で苦しむドイツ銀行などでも同様の疑わしい取引が確認され、北欧やドイツの銀行を揺るがす大きなスキャンダルになっています。
これはロシアを起源とする疑わしい資金が、バルト三国などを経由してバルト海沿いに西側に流れたものです。以前からバルト三国はロシアにとってEU側への玄関口になっており、西側の脆弱性としての側面がありました。
折しもBrexitで離脱側に11億円以上を支援したイギリスの実業家、アーロンバンクス氏は密かにロシアから資金を受け取っていた可能性があるとして捜査を受けており、ロシア発の資金が西側の政情を揺るがす工作に使われているとの見方が出ています。
これらに共通するのは非居住者口座を使った資金の動きです。以前からHemenadoaが調べてきていたCRSという口座情報共有制度は、非居住者の口座情報に焦点を絞った制度で、適切に運用されていればまさに今回のスキャンダルを防ぐことが出来た制度でした。

日本を含むCRS加盟国の銀行が、非居住者の口座を開く際にはその人の居住地情報を集めます。そして口座情報をその居住地に流します。この時、虚偽の居住地情報を銀行が受け取ってしまうと、真の居住地ではないところに口座情報が流れることになってしまいます。虚偽の居住地情報というのは、手軽に永住権や市民権を発行する国のIDのことで、一定額の投資や寄付で市民権や永住権を発行するプログラムがこれに該当します。

CRSを策定したOECDは、EU内の税務専門家からこの抜け道の存在の指摘を受けており、去年の1月から投資や寄付でIDを発行するマルタ共和国やドバイを有するアラブ首長国連邦に対してたびたび勧告を与えていました。これらの国は投資と引き換えにIDを発行することに特化しており、居住証明のためにアパートの水道を流して水道メーターを回す業者も存在しているとされています。最終的にOECDはこれらの国をハイリスクリストに入れました。アジアではマイセカンドホームプログラムのためにマレーシアがこのリストに加えられ、現地ではこのプログラムへの申請は大変難しくなっているとの情報もあります。

ルーマニアはアメリカ人や日本人に対して極めて優遇した投資ビザを発行していたため、この勧告に抵触する可能性がありました。しかし直後のタイミングの去年4月頃から、ビザ申請で設立した会社に売上がない場合は更新をさせないようにすることで無事に制度を維持しました。この売上額には最低ラインは設定されておらず、また利益ではなく売上なので赤字であっても認められます。Hemenadoaは以前から、ルーマニアがシェンゲンに加入するタイミングで売上義務が課せられるのではないかと予想してきましたが、実際にはそれ以前から規制が導入された形です。

ルーマニアで設立した会社で実活動を持つことのメリットについては次の投稿で書くつもりですが、現在ルーマニアのビザ業務を担当しているアデリーナ弁護士事務所はビジネス法に関することが専門のため、事業内容の考案段階から具体的アドバイスを受けられます。また、会社登記のあとも実際に事業をするにあたってライセンスの必要性の有無、開業届の登録依頼などそのまま一貫してコンサルティングを頼めるため、非常に効率的に会社運営をしていくことが出来ます。

注;本ブログの記事内容はアデリーナ弁護士事務所の見解とは関係がなく、一切の責任を負いません。

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